以前、私の娘が通っていた「某美大付属中学」の美術の時間に
「有名な絵を自分なりに模写せよ」という課題が出ました。
「本物そっくりに写す生徒」
「原画とは似ても似つかぬ色で仕上げる者」
「まるでマンガのようにデフォルメされた作品」など
千差万別、個性豊かな作品の数々で大変面白かったものです。 左の絵は私の娘が描いた作品ですが
ゴッホの「プロバンスの老いた農夫」を
模写したものです。
原画は「厳しい農作業に疲れながらも
何か信念を持っている老農夫」を
見事に表現しているゴッホの名作です。
ところが若い彼女の描いた農夫は元気そのもの・・・。
同じようにに写し取ってもこんなにも違うものかと感じました。
もちろんゴッホの筆使いなどを彼女が実現できるわけがありませんし、表現力などの技術は
比べようがありませんが。
ここで問題にしたいのは
「作者の意図通りに描けたのか?」などの点ではありません。
同じような素材/題材を扱っても表現者の感性で仕上がりはいかようにも変わってしまうということです。
似たようなことはオーケストラの演奏にもいえます。
同じ「ベートーベンの運命」でも演奏する楽団、指揮者によって
かなり違うものになります。
この点「原作者(作曲者)の意図を忠実に汲んで演奏する」ことが
よいのか「指揮者の感性を表現する」ことがよいのか議論の対象のようですが。
これらのことはあらゆる「パフォーマンス」に通じることであると思います。
パフォーマンスとは・・・
絵画、音楽、演劇はもちろん、演説/スピーチそして普段、私達の
会話、立ち振る舞い、さらにファッション(着こなし)まで
含まれると思います。
「素敵な装い/オシャレ」とは単に高額なブランド品を身に付ける
だけでは実現しません。
それらを生かす、表現力/感性を養うことが肝心です。
そのことが「オシャレな着こなし」に通じていくと思います。
普通の既製のスーツをきても
「愁いを帯びた重厚な農夫」になるか
「元気はつらつの農夫」になるかは
あなたの感性次第です。
かなり抽象的な話になってしまいました。
では「その感性とは具体的何か?」「どうやって磨くのか?」
などはまた別の機会に・・。
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