★ディレクターズ・スーツ 準礼装 昼のセミ・フォーマル
 

 19世紀末、モーニング・コートの略装として生まれ、20世紀初頭には、銀行家たちの重役服(ディレクターズ・スーツ)としてブームを呼んだ。

 今でも、ロンドンでは黒コウモリと山高帽、ディレクターズ・スーツの紳士を見ることができる。

 ディレクターズ・スーツは本来モーニングの略式なので、ストライブド・トラウザーズ、ベスト、ドレス・シャツ、ネクタイなどはモーニングの着こなしに準ずる。

1.ジャケット
 モーニング・コートを着るほどの格式が要求されない場合の、昼の正装スタイル。
 ピークド・ラベルのシングルかダブルで。
2.ネクタイ
 白黒やシルバーグレーのストライブ、チェック、ピン・ドットなど。
3.シャツ
 レギュラー・カラー、ウィング・カラーいずれでもよいが、カフスはダブルがのぞましい。  シングルの場合でも必ずカフ・リンクスで袖口を飾りたい。
4.ベスト
 上衣と共通の黒、またはグレー、シルバーとなる。
 また、個性的な着こなしがしたいなら,クレリック・シャツにペーズリー柄のネクタイを結び下げるのもおもしろい。
 ペーズリーは柄の中で最も格の高い柄のひとつ。
 この場合、グレー・ベストの方がよりドレッシーになる。
5.トラウザー
 モーニング同様、ストライブド・トラウザーズがのぞましい。
 しかし、上衣と共地のトラウザーズであればまったく問題ない。
 ただし、裾はダブルであってはならない。上衣、ベスト、トラウザーズを黒で統一したものが、日本流の略式ブラック・スーツと呼ばれるスタイルである。
6.靴
 靴底が薄く、あまりコバのでていないものを選ぶ。
 写真は、ストレート・チップで外羽根式。
7.その他
 弔辞に喪服として着る場合,黒上衣、黒ベスト、ストライブド・トラウザーズの組み合わせか、すべて黒の組み合わせとする。 
 昼間の告別式や法事はストライブド・トラウザーズを組み入れたスタイルで。通夜は、夜となるためストライブド・トラウザーズは用いない。
 いずれもネクタイは黒、シャツはレギュラー・カラーを用い、ポケットチーフは
なくともよい。

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