★モーニング・コート 正礼装 昼のモスト・フォーマル(正礼装)
 モーニング・コートはデイ・タイムにおける最も格調高い正礼装で、別名カッタウェイ・フロックとも呼ばれる。公的な行事の主催者・主賓、結婚式での媒酌人・新郎の父親など、第一級の格式が求められる場合に
着用する。

 また、弔事においては喪主の装いとして用いられる。
 いずれの場合も、黒と白のモノトーンで組み合わせるのが約束事。

 なお、上下グレーの生地で作られたアスコット・モーニング(グレー・モーニング)は、新郎の正礼装として人気が高い。

1.シャツ・タイ
 慶事の場合、ドレス・シャツはウィング・カラーかレギュラー・カラーで色は白。
 タイはシルバーグレーか白黒のレジメタイを結び下げで用いる。
2.ベスト
 欧米では黒のベストの代わりにグレー・ファンシー・オッドベストを用いるのが、
一般的。
 また、ベストに白の縁飾り(カラーレット)をつけて慶事にのぞむのは日本固有の習慣で、ヨーロッパでは見られない。
3.アスコット・タイ
 ウィング・カラーのドレス・シャツに白黒のハウンド・トゥースのアスコット・タイをあしらった着こなしのバリエーション。
 結び下げのネクタイより、さらにドレッシーな感覚になる。
 アスコット・タイは必ずウィング・カラー・シャツに合わせるのがルール。
 タイ・タックはカフ・リンクスとお揃いで。
4.飾り花
 襟元を赤のカーネーションなどで飾る習慣は歴史的にも古く、正礼装におけるしゃれたアクセントとしても効果的。
5.ポケットチーフ
 麻かシルクの白を最もフォーマルなスリーピークで挿す。
6.トラウザーズ
 コールズボンと呼ばれるストライプド・トラウザーズを着用する。
 慶事にはストライプの幅が広い明るめのタイプを選び、弔事にはストライプ幅の狭い
ダークトーンのものを選ぶのがベストとされている。
7.シルクハット&ステッキ&白手袋
 正礼装を演出する大事なアクセサリー。
 中でも手袋はモーニング・コートには不可欠で、素材はキッド・スキンか布製のものを。 カフ・リンクスは、パールや金がふさわしい。
8.靴
 キッドかカーフの黒。デザインはストレート・チップで内羽根式(バルモラル・タイプ)のようなドレッシーなものがふさわしい。ソックスは黒無地で。
9.その他
 弔辞に喪服として着る場合、ベストは黒で必ず白い縁飾りははずす。
 シャツはレギュラー・カラー、ネクタイは黒、ポケットチーフは黒か白をティービー・ホールド(四角にたたんだ挿し方)で。
 カフ・リンクスはあまり目立たないもの、銀台の黒オニキスなどがよい。モーニング・コートは昼の礼装用なので、お通夜には着用しないこと。

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